コラム27 猫の食性

コラム27 猫の食性

ネコの本来の食性は肉食性である。たんぱく質や脂質を必要とし、半野生的な生活を送っているネコは、生きた小獣(ネズミ、ウサギなど)・小鳥・小型爬虫類(ヘビ、トカゲなど)・小型両生類(カエルなど)・小魚・小型節足動物(昆虫や蛛形類)といった小動物を捕食し、また飼育下に置かれているネコは与えられた獣肉・魚肉や、人工飼料(キャットフードなど)からそれらの栄養素を摂取する。

また、ネコはエンバクなど背の低い草を食べる習性があり、その理由は未だ明らかでないが、毛づくろいのときにどうしても呑み込んでしまって蓄積した体毛を、草の繊維に引っかけて、まとめて排泄するためとする説や、植物性のビタミンや葉酸を草から直接摂取しているなどの説がある。どのネコにも共通しているのが、イネ科植物を好んで食べるということである。そのほかオリヅルランやテーブルヤシなどの単子葉植物の葉を食べることがある。ペットショップでは飼い猫用に「猫草」としてエンバクの芽ばえや種や栽培キットなどが売られている。

与えればドッグフードも食べないことはないが、ネコにとっての必須栄養素であるタウリンはドッグフードにはあまり多く配合されていない。ネコはタウリンの生合成能力が極めて低いため、タウリンを摂取しないとタウリン欠乏をおこし、失明したり心筋症を発症することがある。