コラム⑧サイベリアン

ロシア北東部の土着猫の一に数えられるサイベリアンは、ノルウェージャンフォレストキャットと同様の環境適応進化を経てきた猫であることは確かで、「シベリアを中心とした極寒の地で生き抜く術を身につけた猫」などと言い表されもする。その外貌はヤマネコを想起させる特色を多く備えている。
丸みを帯びた輪郭に、同じく丸みを帯びた耳と、やや上がった目尻を備えた大きな目、額から鼻に掛けての僅かに傾斜し湾曲した鼻筋を持つ。その背は高くアーチ型で、腹部は堅く重量感を備え、筋肉質にして、その体型は全体的に樽の形を想起させる。
サイベリアンは長毛種であり、その被毛については、その原産国たるロシアにあっては黒と赤を主色とした毛色しか承認されていないものの、北アメリカではより多様なものが承認されるに至っている。肩甲骨上と胸部下のそれが特に厚く生えており、成猫になると首の周囲にふさふさとした襟毛が生ずるように成熟するまでには5年の時を要するという。