コラム③マンチカン

その名の由来は「短縮」を意味する英語の同一語句にあり、最も顕著な特色は短い四肢である。
この目立って短いマンチカンの脚は、常染色体に自然発生的に現出した優性突然変異によって生まれたものである。
脚の短さが日常生活に支障を及ぼすことはない。普通の猫のようにジャンプすることができ、木に登ることもできる。ただ、後ろ脚の短さから跳躍力は制限される。同様の短脚を持つダックスフントという犬種は背の骨格に問題を抱えているが、マンチカンにおける同様の問題の存在を示唆する証拠は挙がっていない。初期の頃には研究方面からの脊椎の構造的な欠陥を指摘する声もあり、1995年の初公認まで10年以上の時間を要した一因でもあったが、最終的には否定された。
交配の歴史において、ありとあらゆる猫種を相手にしてきたため、頭の形から被毛の色まであらゆる種類のものが存在している。ペルシャと交配させたブリーダーもいれば、シャムやアビシニアンとの掛け合わせを行っているブリーダーもおり、更にはデボンレックスのような縮れ毛や、アメリカンカールのような屈曲した耳を持つマンチカンの作出の事例も報告されている。
体長より少しばかり短い、動作豊かな尻尾を持つ。片足をもう一方の足と同じ直線上に置きつつ、尻尾を直立させたうえで腰を振りながら歩くという、ファッションショーにおけるファッションモデルの「キャットウォーク」を想起させるような風変わりな歩き方をする。
足の短さが手伝ってか、前足を上げて後ろ足だけで立ち上がることもあり、一般に「マンチカン立ち」とも呼ばれる。